8月8日、11日、12日の3日間、法科大学院(ロースクール)の模擬裁判の手伝いをしてきました。模擬裁判というのは、架空の事件を題材にして、実際の法廷を再現しながら、それぞれの役の人が裁判官、検察官、弁護人になりきって裁判手続を学んでいくというカリキュラムです。
私は、同僚に包丁で刺された殺人未遂事件の被害者役として、証人尋問を受けました。大学院生が、検察官役、弁護人役として、それぞれ有利な証言を引き出そうと頑張っていました。大学院生は、まだ実際の法廷の経験がないので、かなりぎこちないのですが、それでも色々と考えながら矢継ぎ早に私に尋問してきました。私は、短気で口の悪い被害者役という設定なので、そうそう良い答え方をしません。かなり苦戦していたようです。
弁護士、裁判官、検察官は、何回もこのようなトレーニングを積んで、実際の事件で実力を発揮できるように鍛錬します。模擬裁判であれば、例え失敗しても誰にも迷惑をかけませんし、むしろ失敗することで二度と同じ失敗を繰り返さないという「財産」を得ることができます。法律を学ぶということは、机に向かって本を黙々と読むことだけでなく、模擬裁判のような実践トレーニングを経験することが必要不可欠なのです。
今回の大学院生も、色々と失敗しながらも、自分なりに学ぶところがあったはずです。彼ら彼女らは将来の我々の同業者ですから、ぜひ切磋琢磨して、一人前の法律家になってほしいと願っています。