先日、コーチングのセミナーを受講しました。「舞台演出家に学ぶ、自己表現の秘訣」というタイトルの約3時間のセミナーです。私は、これまでコーチングという言葉自体を全く知らなかったのですが、調べてみると、舞台演出から企業研修まで、様々な分野で取り入れられている注目の手法なのだそうです。
日本コーチ協会という正式な団体もあって、ホームページには、コーチングについて次のような説明があります。
「プロフェッショナル・コーチングとは、コーチとしての専門的なトレーニングを受けたコーチとクライアントと呼ばれる個人(またはチーム)が目標を設定し、成果を達成していくためのパートナーシップです。クライアントとコーチは会話を通じてコミュニケーションを交わします。コーチは聞き、観察し、質問し、時には提案することによって、クライアントの行動をより起こしやすくしていきます。
コーチングのプロセスでは、コーチはクライアントがより効率よく、より効果的に行動できるよう焦点を絞り、あらゆる行動の選択肢を明確にします。同時にコーチはクライアントの現在地と、向かう先の位置を意識させます。
コーチによるコーチングスキル、コーチングアプローチ、コーチング知識のサポートを得ることで、クライアントは自分の責任において意思決定、選択、そして行動を起こし、成果がもたらされます。プロのコーチはその関係を理解しています。」
こうやって言葉で表現すると、どうもピンとこないのですが、実際のコーチングは具体的で現実的な興味深い手法です。以下、ちょっと紹介します。ただし、私は全くの素人ですから、以下の記載はおそらくかなり不正確だろうとは思います。どうかご容赦ください。
1 非言語メッセージを意識する
人は、言葉で表現する以外に、動作、態度、表情などで相手にメッセージを発信しています。このことを十分に自覚したほうがよいという話です。例えば、あごを上げているか引いているか、左右どちら側の顔を相手に見せているか、腕組みをしていないか、そういった動作一つ一つが無言のメッセージとなるのです。メッセージには、当然、良いメッセージと悪いメッセージがあります。腕組みなどは、最初から相手を拒否する動作と受け止められる可能性があります。
セミナーでは、実際に二人一組で向かい合って試してみましたが、確かにそのとおりだなぁと納得しました。弁護士は、日常的に人と接する仕事なので、この点は特に注意しなければいけないと思いました。
2 感情レベルを一定に保つ
これは決して無表情になれということではなく、常に高いレベルで気持ちを維持できるように心がけましょうという意味です。人の感情は何十段階にも細分化されていて、各段階によって異なった行動をとります。当然、高いレベルの感情のときの方が良い行動につながりやすいということです。
私も、忙しいときや嫌な出来事があったときなどに、ついイライラしたりムッとしたりして、あとで反省するのですが、最初からこの点をもっと意識しなければいけないと思いました。
3 相手をほめると分かる
セミナーでは、二人一組で向かい合って、1分間、相手の良いところをほめ続けるというトレーニングをしました。非常に照れくさいトレーニングでしたが、相手をほめることで、相手に対する関心を強く持つようになり、逆にほめられることで、自分が相手にどのように見られているのかを強く意識するようになりました。
よく日本人は人をほめるのが苦手だ、ほめるのに慣れていないと言われますが、普段から人をほめる習慣を身につければ、その評価もだいぶ変わるのではないかと思いました。
セミナーを受講してから、自分や他人の表情や行動について、以前より関心を持つようになり、その意味で、とても良い勉強になりました。また機会があったら、コーチングについて勉強したいと思います。